ハンドメイド作品の価格設定

こんにちは。
ハンドメイド作家のすずです。
今回はハンドメイド作品の価格設定について解説していきます。
一般的に商品価格の原価率は30%~40%と言われることが多いと思いますが、それはハンドメイドにも通用するのでしょうか?
一緒に考えてみましょう!
原価
価格を決めるにあたって1番最初にすることは原価計算です。
原価計算って何?という方も分かるように説明しますのでご安心ください!
【原価】とは
商品を作るのに使う一切の費用が、製品の単位当たり幾らになるかを計算した値。
例えば、淡水パールの一粒ネックレスを作るとします。
材料は貴和製作所で揃えることにしました。
購入する材料はこちらです。

- 淡水パール 2ヶ ¥748
- チェーンネックレス 1本 ¥220
- Tピン 126本 ¥132
- 甲丸バチカン 10ヶ ¥110
そしてネックレス1点あたりに使う材料は
- 淡水パール 1ヶ
- チェーンネックレス 1本
- Tピン 1本
- 甲丸バチカン 1ヶ
です。
割り算をして1つあたりのパーツの価格を計算します。
- 淡水パール 748÷2=¥374
- チェーンネックレス 1本 ¥220
- Tピン 132÷126=¥1
- 甲丸バチカン 110÷10=¥11
よってネックレス1点あたりの材料費は606円となります。
そしてラッピングに使うOPP袋やリボン、発送に使う段ボール箱なども同じように計算してください。今回は1つ発送するのに150円かかると仮定します。
作品の材料費と梱包費合わせて756円となりました。
さて、原価というのは厳密にはそれだけではありません。
- 材料を買うために使った交通費や送料
- 道具や家賃、光熱費
- 試作にかかった費用
- 通販にかかる手数料
- 人件費
なども含まれます。

頭がこんがらがってきたよ
初心者さんには難しいですから、今回はこの中でも大切な人件費についてお話します。
人件費
ハンドメイドは人の手で作っているので当然人件費がかかります。
人を雇っているわけじゃないから人件費はいらないんじゃない?とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、それは違います!
自分の時間の価値をしっかりと価格へ落とし込まなければ、一日中作業したのに赤字…ということになりかねません。
「ただの趣味だから」と割り切るならそれでも良いのですが、ハンドメイドで稼いでいきたいのなら人件費は必須です。

時間の価値ってどうやって決めるの?
人件費はまず月給を決めて求めるのが分かりやすいです。自分がアクセサリーを作る仕事をするとして、月にいくら貰えたら楽しく働けるか、生活していけるかを考えます。
仮に20万円必要だとします。
そうなると
月に20日働くとして
20万円÷20日=1日1万円、
1日8時間働くとして
1万円÷8時間=時給1,250円となります。
その時給1250円を元に人件費を計算すると、ネックレス1点制作するのに20分かかった場合、人件費は417円です。
ただ、稼働時間全てを制作に使うわけではありませんし、たくさん作っても全て売れなければ意味がありません。
この計算で求めた時給は最低ラインとして考えてください。
上で計算した材料費&梱包費756円と人件費417円を足して1,173円となりました。
これが原価です。
これを冒頭に出てきた原価率30%に当てはめると1,173÷0.3=3,910円です。
ネットで販売する場合、販売手数料が10%かかるのであればそこに10%を足します。
そうすると
3,910+10%=4,301円となります。
果たしてこれは販売価格として適正なのでしょうか?
相場
さぁ早速この価格で出品…という前にちょっと待ってください!
相場と大きな開きがないか確認しましょう。
相場より高すぎるとお客様が手を出しづらいですし、安すぎてもちょっと怪しいですよね。
minneやCreemaで「ネックレス 淡水パール 一粒」などと検索して同じような作品の価格を見てみます。

※作家さんのお名前と写真にモザイクを入れています。
ざっと見た感じ、980円〜19,600円と幅広い価格帯ですね。
平均は5,430円です。
4,300円でしたら大きくズレていませんので適正と言えます。

じゃあ原価計算しなくても相場を見れば簡単に値段付けられるじゃん!
確かに値段を付けるだけならそれでも良いのですが、正確な原価が分からないと利益がどのくらい出たかも分かりません。
作家さんによって材料の仕入れ先も制作スピードも違うので、相場はあくまでも目安として捉えてください。
同じような作品でも手間がかかればその分高くなるので、そのまま高い値段で販売するのか、材料費を安くして調整するのかは作家さんの考え方次第です。
付加価値
販売に慣れてくれば、原価以上の付加価値を付けて販売することも出来るようになってきます。
自分にしか表現できない世界観や、自信を持っている技術などがあれば思い切って価格に上乗せしていきましょう。
売れっ子作家さんにもなれば相場の何十倍の価格で売れることも珍しくありません。
しかし知名度も実績もない駆け出し作家さんは、まずは今回求めた原価率30%を目安に価格設定することをおすすめします。
そしてファンが付いてきたら徐々に付加価値をつけていきましょう!

ブランド物って付加価値の塊だよね
モチベーション
活動を継続していく上で最も大切なのがモチベーションの維持です。
どんなに売れていてもモチベーションを保てなくなれば、辛い作業でしかなくなってしまいます。
そうならないために、キャパオーバーになる数は受注を受けない、値上げをするなどして無理なく楽しんで継続できるようにしましょう。
デザインフェスタなどハンドメイドイベントを見に行くのも、モチベーションを上げるいい機会になりますよ。

好きで始めたはずなのに、嫌いになっちゃうのはもったいないね
【ハンドメイド作品の値段の付け方】まとめ
いかがでしたか?
価格設定で悩んでいる方の参考になりましたら嬉しいです。