【作例あり】Canon単焦点レンズ35/50/85mm比較(APS-C)!それぞれの良さとは?

こんにちは。
ハンドメイド作家のすずです。
今回のテーマは【作例あり】Canon単焦点レンズ35/50/85mm比較(APS-C)!それぞれの良さとは?です。
背景にボケ感を出して独特な世界観を表現したり、小物の撮影にも便利な単焦点レンズですが、一体何mmを買ったらいいの?と悩んでいる方もいると思います。そんな方はこの記事を見て、どのレンズが自分の撮影したいイメージに合っているのか参考にしてくださいね。

ワクワク!
単焦点レンズとは?ズームなしの魅力

単焦点レンズとは、焦点距離が固定されているレンズのことです。焦点距離はレンズの中心点からイメージセンサーまでの距離のことで、50mm、85mmなどミリ単位で表現されます。この数字が小さいほど広い範囲を写すことができ、大きいほど遠くにあるものを大きく写すことができます。
焦点距離が固定されているということはつまり、ズーム機能がないということです。そのため被写体を画角に収めるためには、自分が動いて距離感を調整する必要があります。
今回の単焦点比較で使用するのはCanonのレンズ以下3点です。
- RF35mm F1.8 MACRO IS STM
- RF50mm F1.8 STM
- RF85mm F2 MACRO IS STM
APC-Cセンサーとフルサイズ換算
私が使用しているカメラはCanonのEOS R10というミラーレスカメラで、APS-Cセンサーが搭載されています。皆さんがお持ちのカメラはどうでしょうか?分からない方は調べてみてくださいね。
APS-Cセンサーはフルサイズセンサーよりも小さいため、フルサイズに比べ焦点距離が約1.5倍(Canonは1.6倍)望遠になる効果があります。 難しいですが、簡単に言うとAPS-Cセンサーの方が画角が狭く、物が大きく映るということです。
APS-C搭載のカメラで50mmのレンズを使って撮影する場合、「フルサイズ換算で80mm相当」などと言われます。「フルサイズセンサー搭載のカメラで80mmレンズを使うのと同じような画角だよ」ということですね。
「35mm換算で…」と言われていることが多いですが、数字がたくさん出てきてまどろっこしいので、本記事では35mm換算という言葉は使わずに「フルサイズ換算」で統一しています。

既にこんがらがってきた…
というわけで、今回掲載している写真はフルサイズセンサーのカメラとは写り方が異なりますので予めご了承ください。
35mmレンズ(フルサイズ換算56mm相当)
APS-Cセンサーでの35mmレンズはフルサイズ換算で56mm相当の画角です。つまり、フルサイズセンサーカメラで50mmレンズを使った時とほぼ同じ画角になるという事です。
フルサイズ50mmが1番肉眼に近い見え方(遠近感など)をすると言われているので、初心者さんでも扱いやすいレンズだと思います。APS-Cの標準レンズと言えますね。
iPhone16proでいうと2倍ズームくらいの大きさに映ります。


カメラはファインダーを覗く形で撮影、スマホは顔から20cmくらい離した状態で撮影しています。被写体を持つ腕はどちらも目一杯伸ばしています。
日常のスナップを撮るのにぴったりなレンズだと思います。旅行でも大活躍しますよ。「あ!」と思った時にすぐ被写体を画角に収められる良さがあります。
しかし物撮り(商品撮影)になると被写体が若干歪んで見えますので、物の形を正確に表現したい場合は50〜85mmのレンズを使用することをおすすめします。35mmでも被写体との距離を離せば歪みは少なくなりますが、画像を小さくトリミングすることになるためその分画質が悪くなってしまいます。歪みについては後ほど例をあげて説明します。
RF35mm F1.8 MACRO IS STMの作例




50mmレンズ(フルサイズ換算80mm相当)
フルサイズセンサーではこの50mmが肉眼に近いと言われる標準レンズです。APS-Cセンサーの場合、フルサイズ換算で80mmです。少し大きく映るので、カメラに慣れていない方は最初は少し難しく感じるかもしれません。
iPhone16proでいうと3倍ズームと同じくらいです。


ポートレートも物撮りも難なくこなせる万能レンズだと思います。35mmよりも画角が狭い分、見せたい被写体をしっかり目立たせることができます。
今回紹介するレンズの中では一番コンパクトなので、一日中持ち歩いていても疲れづらいというメリットもあります。他のレンズが6万円以上するのに対し、3万円程度で購入できるのもいいところですね。
ただ、被写体に超接近して質感までバッチリ撮りたい場合は、50mmレンズよりもこの後に紹介する85mmが圧倒的におすすめです。
RF50mm F1.8 STMの作例




85mmレンズ(フルサイズ換算137mm相当)
第一印象、かなりズームな画角!です。APS-Cだとフルサイズ換算137mm相当のほぼ望遠レンズになります。
iPhone16proの5倍ズームと同じくらいの画角です。


カフェで向かいに座っている人や、隣で遊んでいる子どもなど、よくスマホで撮るような日常感のある写真は、被写体との距離を大きく取らないといけないので難しいです。
狭いスペースで撮影すると、これ以上下がれないから画角に収められない…ということも起こってきます。これはデメリットともとれますが、逆にいうと、下がれないからこそ印象的な写真を撮影できるというメリットにもなり得ます。
85mmは適当に撮ったとしても”なんかいい写真”になるという魔法のレンズです。歪みも少ないので、私は物撮りする時はこのレンズを使うことが多いです。
大きく写る分、被写体に接近して撮影できますから、お花などの自然を撮ると驚くほど繊細な写真が撮れます。肉眼では見られない世界が見られるのでとても楽しいです。また、アクセサリーなどの小さい物を質感までしっかり見せたい!という時にも大活躍しますよ。
RF85mm F2 MACRO IS STMの作例




3枚並べてみる
先程それぞれの項目で載せていた35mm、50mm、85mmの写真を3枚並べてみてみましょう。

85mmがどれだけ大きく写るのかお分かりいただけるかと思います。
それでは次は、被写体とカメラの距離をそれぞれ調整して、被写体の大きさが同じくらいに写るように撮影してみました。

いかがでしょうか。一見変わらないように見えますが、上下のふちを見比べてみてください。

分かりやすく赤い線でなぞってみました。実際オブジェの上下のふちは平らですから、一番実物に近いのは85mmです。
広角になればなるほど、被写体に近づくことになるためレンズの歪みが現れてきます。ぬいぐるみなどの曲線が多いものは歪みが目立ちづらいですが、例のオブジェや箱のように直線が多いものを撮影するときには注意する必要があります。

こんなに変わるんだ!
そして、レンズによって背景の写り込みも大きく変わってきます。こちらの写真をご覧ください。

被写体の大きさはほぼ同じように写っているにも関わらず、35mmは広い範囲の背景が写り込んでいますね。1枚の写真の中に情報をたくさん入れたい、情景を記録したい写真に向いていると言えます。
対して85mmは狭い範囲の背景が大きく写るので被写体が際立ち、印象深い写真になります。この現象は圧縮効果と呼ばれ、望遠になればなるほど被写体と背景が近づいたように写ります。一般的に「綺麗な写真」と判断されがちなのはこちらの写真ではないでしょうか。
マクロレンズ
ちなみに85mmと35mmは名前にMACROと入っている通り、マクロレンズと言われるもので接写撮影に特化した設計になっています。この2つのレンズでそれぞれ接写した場合、違いは出るのでしょうか?
以下はピントが合うギリギリまで接近した写真です。


どちらも同じくらい寄ることができました!
先ほどオブジェの例でもお話したように35mmの方が被写体に近づくことになるため、
- 周りの光を遮ってしまう
- カメラの黒い写り込みが出てくる
- 左右上下に引き伸ばしたような歪みが出る
- 背景が広範囲写るためムラが気になる
など、85mmと比べるとクオリティに差が出てきますね。正確な形や写り込みのない綺麗な写真を目指す場合は85mmの方が良さそうです。
ちなみにマクロレンズではない50mmだと寄るのは↓が限界です。


それぞれのメリットとデメリット
それぞれのメリットとデメリットをまとめました。
RF35mm F1.8 MACRO IS STM
メリット
・肉眼に近い画角で自然な写真が撮れる
・被写体との距離を撮りやすく室内でも使いやすい
・スマホ感覚で気軽に撮れる
デメリット
・被写体に近づくと歪みが出やすい
・50mmや85mmに比べてボケ感が控えめ
・商品撮影にはやや不向き
RF50mm F1.8 STM
メリット
・他のレンズに比べて安価
・薄くて軽量なので持ち運びに最適
・ポートレートから物撮りまで幅広く使える
デメリット
・極端な接写やマクロ撮影には不向き
・35mm,85mmに比べると個性に欠ける
RF85mm F2 MACRO IS STM
メリット
・被写体が際立つ印象的な写真が撮れる
・歪みが少なく商品撮影に最適
・質感やディテールを高精細に表現しやすい
デメリット
・撮影距離が必要で狭い空間では扱いづらい
・レンズが大きく重いため長時間持っていると疲れる
・初めての単焦点に選ぶと難しく感じることがある

迷うなぁ〜〜!
それぞれに良さがありますが、初心者さんの最初の焦点レンズにおすすめなのは35mmです。スマホ感覚で撮影できるのでお出かけにもぴったりです。
しかし、商品撮影目的で買うのであれば迷わず85mmです(笑)
歪みの少なさやクオリティが段違いです。
↓GOOPASSさんでレンタルも出来ますので、いきなり買うのは怖い…という方はぜひ試してみてくださいね。

【作例あり】Canon単焦点レンズ35/50/85mm比較(APS-C)!それぞれの良さとは?:まとめ
いかがでしたか?
それぞれのレンズの違いが少しでも伝わっていたら嬉しいです!
あなたが表現したい世界観に合ったレンズを選んで、素敵な撮影ライフを送ってください♪